薫13話(完結)

【十三話】

 

「薫ちゃん… やられたよ……」

 翌朝、薫の自宅を出て行ったはずの三田はガックリと肩を落として、自宅が空き巣に入られたことを薫に話しにやってきた。

 薫は驚いて、警察には知らせたのかと声を掛けると、三田は無言で首を横に振った。

「大して撮られるものはないから……」

 三田は薫にそう伝えると薫の家から再びフラフラして出て行った。

 薫は心配している素振りをしながら、三田の後を追うように三田の家の中に入り、警察へ通報しようと台所にいた三田に声をかけた。

 その瞬間、三田は大声で振り返り様に薫を怒鳴り睨み付けた。

「ここに来るんじゃなああい!! ここから出て行けええぇ!!」 

 三田は薫に恐ろしいほどの形相を見せると薫に拳を握った腕を上げた。

 その瞬間、薫はチラリと台所の床下にある野菜室のフタが開いているのを見た。

「何を見ているんだああー!! さあ!! 早くここから出て行けええぇぇ!!」 

 再びゲンコツを振り上げた三田が薫に近付いて威嚇したことで、薫は危険を察知して後退りをして台所から離れた。

 薫の初めて見た、三田の恐ろしいほどの形相だった。

 
 三田に追われるように帰宅した薫は、朝食を済ませ身支度を整えると子供の手を引いて、たまに使っている保育所を訪れた。

「いい子にしているんだぞ♪」

 子供の頭を撫でた薫はそのまま会社へ向かった。

 すると、バスの中で携帯がメールを着信し薫は込み合う中で携帯を凝視した。

「三田の家の床下から女性の物と思われる無数の下着の入ったカバンが見つかった。 警察に任せた方がいい。 こちらから警察に手段を講じて知らせることにする。」

 兵藤のメールは薫の全ての思考能力をゼロにするほど強力な物だった。

 気付けば薫は降りる駅を十箇所以上も乗り越していた。

 会社の同僚に遅刻の電話をした薫は纏まらない考えの中で身体だけが会社へ移動した。

 菜々美が埋まっているかも知れないという落胆の中で薫は失敗続きの長い勤務についた。

 いつもなら仕事に身を入れればアッというまに終わる仕事も就業時間を越えても終ることはなかった。

 そしてようやく一区切りついた薫が時計を見ると保育所の終了する時間が迫っていた。

 薫はタクシーを拾うと待ちかねているであろう、我が子を迎えに心を焦らせた。

 保育所に携帯から事前に連絡することで超過一時間で保育所に到着した薫は、タクシーをそのまま待たせ我が子を抱っこすると帰宅の途に付いた。

 そして自宅を目前に薫が目にしたのは、赤い回転灯の複数のパトカーだった。

 隣家の三田家の前に何人もの捜査員がいて黄色いテープが張られていた。

 そして人混みの中にいた近所の人に話しを聞くと、三田の家の台所の下に死体が埋まっていると通報が入ったといい、調べに入った捜査員が人毛らしきものを発見したという情報が広まっていた。

 薫は眠っている我が子から三田家の様子を隠すように自宅へ入った。

「今夜は女になるのは止めよう…」

 捜査員が何かを聞きに来るかも知れないと思った薫は下着をそのままに、男姿で夕食の支度と風呂の準備をした。

 スウェット上下を身に纏った薫がようやく準備を終えた頃、子供が目を覚ましてカーテンの隙間から隣家を覗いているのを見つけた。

 薫は慌てて子供を窓から引き離すと、子供を抱っこしてダイニングテーブルの前に座らせた。

 窓の外を気にする子の注意を反らそうと久々に行った保育所の出来事を聞いてあげる薫は、父親の顔をしていた。

 結局、この日は捜査員は尋ねてくることはなく夜の十時過ぎに薫はベッドの中に入った。

 翌朝、ゴミ出しのために外に出た薫の前に数人の主婦達が井戸端会議をしていた。

 聞けば三田の家の台所の床下からは女性の毛髪の他に、無数の下着とストッキングやらスカートやら大きなバックに詰められていたといい、この日も捜査員が床下を掘りにくるらしてと語っていた。

 隣家に三田の姿はなく警察に連行されたのだと言う。

 薫はいよいよ妻である菜々美の失踪の謎が解き明かされる時が来たと自分に言い聞かせた。

 そしてこの日の朝も同じように子供と手を繋いで保育所を尋ねた薫は、会社へと足を進めた。

 バスに揺られる薫は間違いであって欲しいと心の中で念じていた。

 そんな薫が会社に到着した。

 いつも込み合う部署近くのトイレ、順番が回って来たが個室は空いているかとヤキモキしながら中に入る。

 ラッキーとばかりに空いてる個室へ入って便座を除菌シートで拭いてからズボンを降ろす。

 スルスルとパンストに滑るように落ちたズボンを片手で押さえ、パンティーを膝まで降ろして便座に座る。

 いつもながら気持ち悪い男子トイレ。

 女性なのに男子トイレを使わざるえない悔しさに口元を硬化させる。

 勢いよくすれば跳ね返るからとチョロチョロ出しで腹圧を加減する。

 個室の外から大勢の男子社員の話し声。

 トイレットペーパーを右手に巻きつけ、デリケートな部分を優しく拭き取る。

 まだまだ慣れない用足し後の拭き取り。

 ウッカリすればデリケートなだけに身体をビク付かせることになる。

 ワイワイガヤガヤ騒々しい個室の外。

 そんな最中に聞き覚えのある声が個室に飛び込んで来た。

「そういえば薫のヤツ最近、妙に身体のラインつーか、ケツの辺りが丸くなった気がすんだが、アイツ太ったか?」

 同じ部署で同期の大野の声。

「おいおい、お前そんなとこ見てんのかぁ♪ お前もしかしてコレか♪ ゲラゲラゲラ♪」

 同じ部署で同期の杉田の声。

「いや、なんかケツの辺りがプリンって感じで、顔なんかも前と違って丸っこい感じするし♪」

 からかう杉田にマジ声の大野。

 個室で微笑する薫。

「俺らの年代は気苦労が多いからな、アイツも何だかんだでストレス抱えてんだろ♪ どっちにしても来月の健康診断でアイツ自身、太ったことを知るんじゃないのか~♪」

 杉田の口から重大事項を聞いた薫は顔を青ざめさせた。

「健康診断… 忘れてたー!!」

 薫は来月の健康診断を忘れていたことに気づいた。

 始業時間の迫る中、トイレの中が急に静まり返ったことで薫は慌ててパンティーを、そしてパンストを装着した。

 定期健康診断は社員全員が同じ日に受けるもので、薫も同じ部署の連中と入り混じって受けるのが慣例になっていた。

「このままじゃバレちまう!! あと十日しか無いじゃないか!! くそ!!」
 
 青ざめた薫は部署へ移動する廊下で何か策はないかと頭を熱くした。

 そんな薫が部署の自分のデスクに向かうと、大野と杉田を中心に十日に迫った健康診断の話しで盛り上がっていた。

 誰が太ったの誰が痩せたのと女子を見ては声を細め薄ら笑いを繰り返していた。

 そんな中で後輩の吉岡が、健康診断の日に出張が入っていて、別の病院での検査を余儀なくされていると語っていた。

 薫は仕事の準備を進めながら、別の病院と言う言葉を頭に残し、慌ててパソコンで社則を開くと健康診断の例外事項を検索した。

 社則には健康優先をうたいながらも業務優先を匂わせる項目がいくつもあった。

「そう言えば聞きましたか? 今朝、また例の服装奉行が、女子社員に化粧が濃いんじゃないかって要らんこといって、女共からひんしゅく買ったらしいですよ♪」

 健康診断対策を頭の隅に置いてデスクワークしている薫の耳に、隣りに居る二年後輩の高橋が話しかけた。

「服装奉行って?」

 仕事の手を止めて横を振り向く薫。

「えっ? 知らないんですかぁ♪ やだなぁ~ 宇崎さんですよ~♪」

 高橋はネクタイを直すフリして辺りを覗うと、薫に顔を向け声を絞って掠れさせた。
 

「宇崎さんって、あの宇崎さん?」

 薫は書類のページを捲りながら高橋の顔を見ずに聞き返した。

「えぇ♪ よせばいいのにナンバーツーのお局ですよ~♪ セクハラだの何だのって女共に囲まれたらしいですよ♪ 全くあの人も女に対してもう少し、理解があればいいんですがねぇ~ あっ! ヤバ! 課長がこっちに来た!」

 高橋は面白そうに宇崎の話をすると自分の方へ向かって来る課長に怯えた。

 
 薫は女装クラブで遊んでる宇崎と会社での宇崎のギャップに心の中で微笑した。

 


【十四話】

 

 
「下着泥棒??」

 隣家の事件が発覚して二日目の朝、三田の家の前で始まった井戸端会議をカーテンの隙間から見た薫は、慌ててその場へと足を運んだ。

 三田は近所の家々の敷地や住居の中に忍び込んでは洗濯物や洗濯前の下着やストッキング、衣類などを盗んでは自らの欲求を満たしていたという。

 結局、薫の妻である菜々美の失踪とは何も関係が無かったというところで終ったかのように見えた。

 ところが、数日経った土曜日の午前八時半、自宅の前に一台の車が止まり、中からスーツ姿の男が二人出て来て薫の家の玄関チャイムを鳴らした。

「お休みのところ申し訳ありませんが…」 

 突然の刑事の訪問だった。

 薫は顔色を変えた。

 薫の自宅を訪れた刑事は、テーブルを挟んだソファーに座った。

「実は奥さんのことなんですが…」 

 両膝に手を置く刑事の小林と松崎は一瞬、切り出した声を引っ込めるように口を噤んだ。

 二人の刑事に視線を往復させる薫。

「御宅に無断で侵入した三田が、洗濯物を盗む際に奥さんに見つかり、そのままその場で奥さんをレイプしたと自白しまして…… その他にもこの界隈で数件のレイプ事件を起こしていたことが判明したんです。 奥さんの捜索願いが出ているのも我々は承知しています。 ただ今回の三田の事件に奥さんが巻き込まれた可能性もあるために、現在、三田を追求しています。 最悪の場合も考えられますので何か心当たりでもあればと……」

 刑事の小林が切り出し、途中から松崎が話を進めた。

 薫は三田の亡くなった奥さんの最後の言葉を二人の刑事に話して聞かせると、二人の刑事は顔を互いに見渡して何かを確信するかのような表情を薫に見せた。

 二人の刑事が帰った足、薫の脳裏に否が応にも浮かび上がる、妻、菜々美の屈辱的なシーンを薫は何度も振り払うように頭を両手で掻き毟った。

 
『もし、奥さんの失踪に三田が何らかの関与をしているとすれば、最悪の結果になると考えられます……』

 帰り際に刑事達が言い残した言葉を思い出し、唇を震わせる薫は刑事達が座っていたソファーを何度も拳で叩きつけた。

 家の窓から見える三田の家には数人の捜査員と鑑識が来ていたが、刑事達の言葉が重く心に圧し掛かり女になることも忘れ、男姿のままテレビの前で絵を描いて遊ぶ子供を見ていた。

 菜々美はもうこの世にはいないかも知れない…

 薫は何も解からずに無心に絵を書いて遊ぶ我が子が哀れでならなかった。

「もう少しで私まで三田に……」

 トイレの便座に座り膝の上に小さく溜まる水色のパンティーを見詰める薫は、処女を奪わせよう三田を誘った夜のことを思い出していた。

 自分の妻である菜々美を力ずくで犯した男に、性転換して女になった亭主(じぶん)が身体を味見させようとしたことに、薫は深い嫌悪感を感じた。

「女は男に味見されるために生まれて来る…」

 男たちの身勝手な言葉が耳の中に蘇り上半身を揺すって両耳を押さえた。

 揺れる乳房が薫に自分が女であることを自覚させた。

 用足しを終えウォシュレットをデリケートな部分に当てる薫は敏感な部分に刺激を感じた。

「こんな汚い部分を男は舐めたがる……」

 ペーパーで敏感になった部分を拭き取る薫は深い深呼吸(ためいき)をした。

 立ち上がって上に引き揚げたパンティーの内側のシミに視線を反らした。

 本物(おんな)になったものだけが解かりえる事実だった。

「こんなモノのために命を落とすなんて馬鹿げてる! 三田のヤツ! 許せない!」
 
 トイレから出た薫は窓から三田の家を見る子供に慌てた。

 薫は後ろから子供を抱き上げると小さなホッペに頬を摺り寄せた。

「パパァー! ママは? ママが居ないよぉー!」

 薫はハッとした表情を浮かべると子供を床に置いて窓ガラスに映る男姿の自分に見入った。

「今日はパパの番だからね♪ パパと一緒に居よう♪」

 床に置いた我が子の前に膝を付いて視線を合わせる薫はニッコリ笑むと子供の頭を撫でた。

 グズリかけた子供はテレビの前にヨタヨタ移動するとチョコンと床に座って再び絵描きを始めた。

 一安心した薫が台所の片付けを始めようと立ち上がると固定電話が鳴った。


 電話に出た薫は顔色を変えた。

 菜々美の母親は警察からの連絡を受け怯えた口調で子供を預かりたいと言って来た。

 薫は断ったが事件の真相が明らかになるまでの間だけでもと菜々美の母親は繰り返した。

 その日のうちに薫を訪ねた菜々美の実母は、挨拶もソコソコに薫の子を連れ菜々美の実家へと帰って行った。

 
 静まり返った家の中、一人ポツンと時計を見ると時間は夜の九時、三田の家は見張りのパトカーが一台いるだけで静まりかえっていた。

 居間のソファーに座ってスウェットの上下を脱いだ薫は、キャミとパンティーだけの姿で台所の冷蔵庫から缶ビールを二本取り出すと、そのままソファーに腰掛てビールを喉に流し込んだ。

 テーブルの上に伸ばした両足のフクラハギにヒンヤリ感が伝わる。

 缶ビールを置いて携帯を見れば竹崎からのOKのメールが入っていたことで、薫は肩の荷を一つ降ろした気になっていた。

 そして兵藤からのメールにはいつでもOKの内容が入っていたが、相変わらずの勃起不全を伝えていて薫を失望させた。

 薫は風呂に入り身体とデリケートな部分のケアをし終えると、パンティーの上にロングの厚めのネグリジェを着込みと寝室へ移動した。

 部屋の灯りを落としてベッドに身を沈めた薫。

 暗闇の中で瞼の裏側に菜々美のレイプシーンが浮かび上がる。

 寝返りをうっても湧き上がる見たくないシーンの数々。

 抵抗して殴られて衣類を剥ぎ取られ泣き叫ぶ妻の顔。

 押さえつけられ乳房を貪るられる妻の顔。

 パンティーストッキングを引き裂かれモガク妻の顔。

 両手で必死に押さえながらもパンティーを剥ぎ取られる妻の顔。

 三田の肉棒が濡れてもいない妻に挿入される痛々しいシーン。

 両手を押さえつけられ腰を振られ続け恥辱に泣き叫び妻の顔。

 掻き消しても掻き消しても湧き上がる辛いシーン。

 そして想いを遂げた三田ニヤニヤして妻の陰部を覗き込む顔。

『女なんて味見されるために生まれてくるんだ…』

 三田と兵藤の声が入り混じって菜々美のレイプシーンに重なって聞こえると、薫は突然ベッドから起き上がって明かりを灯した。

 ベッドの傍の小テーブルの上に置いてあるウイスキーをストレートで煽りながら、ネグリジェのボタンを外して掻いた汗をタオルで拭き取る。

 プルプルと揺れる自分の乳房を見て、その乳房に無理矢理貪り付く三田を想像した。

 三田にレイプされた菜々美に自分を重ねた薫は、背筋が凍りつく思いがした。

 望んで味見されるならともかく望まぬ愛撫ほど残酷なものはないと薫は思った。

 自分の乳房、両足を見て好きでもない男に、自分の恥かしい部分を見られ匂いを嗅がれ、そして舐められることが女にとってどれほど苦痛なことか、薫は我が身を震わせてその恐怖におののいた。

 薫は突然、ネグリジェをそのままに布団を頭から被るとその恐怖にガクガクと身体を震わせた。

 そして薫を苦しめたのは苦しみながら死んで行く菜々美の顔だった。

 首を絞められたのか、腹を刺されたのか何も知らない薫の脳裏に、様々な殺され方をする菜々美の姿が映っていた。

 薫はこの夜、何度も菜々美のことで大汗を掻いては目を覚まし、深夜の2時過ぎベッドから出るとネグリジェを脱いで再び熱いシャワーに肌を晒した。

 乳房をそのままに白いパンティーのみの姿で寝室に戻った薫は、何気なく見た場所に置いてあった、三田に使わせるために置いたコンドームとジェルに視線をあてた。

 菜々美を犯して殺したかも知れない相手に、身体(じぶん)を味見させようとした自分に腹立つ思いがした薫は、戸棚から女装クラブで買った擬似ペニスを取り出すと、それを手に持ってベッドの横の椅子に腰掛、頬にペニスの先っぽを当てた。

 グニグニする感触が本物のように薫の頬に伝わった。

 椅子に座ったまま両足を開いて、白いパンティーの上から懐かしそうに擬似ペニスを当てた。

「丁度この辺りか…… ふふ…… 何してんだろ私……」

 酔い口調で自分の行動に照れる薫は一人笑いながら、擬似ペニスの先っぽを自分の顔に向けた。

「彼氏でも居れば、こんな感じか…… ふふ……  えっ! 何してんだ私…… こんなモノ口に入れて……」

 口を開いて擬似ペニスを口の中に入れた薫は自分のしていることに驚いた。

 自分の行動にショックを受けた薫は慌てて擬似ペニスをベッドに放り投げた。

 そして椅子の上で体育座りして両膝の上に額を乗せ両手で抱え込んだ。

 
「溜まってるのかも……」

 薫は性転換前の医師の話を思いだした。

 両膝を抱いた腕の右だけを外し、外側から伸ばした右手の中指をパンティーの上からなぞった。

 怖くて弄れなかった性転換して初めての性行為だった。

 白いパンティーの上、デリケートな部分の割目を下から上へそして上から下へと中指で軽く擦った。

 女装子時代とはまるで次元の違う性感が薫の理性を麻痺させた。

 バンティーの上を恐る恐る擦る右中指は少しずつ滑る速度を上げた。

 デリケートな部分の割目の縁は、玉袋の真ん中に指を滑らせた感覚によく似ていたが、感度はその数十倍に達した。

 薫は喉の奥に恥かしい声を篭らせていた。

 そんな薫の膝から左手が外された。

 丸めていた背筋を伸ばすと二つある乳房はプルプルと揺れた。

 左側のピンク色した乳首が左手の親指と中指の中に隠れた。

 パンティーの上からデリケートな部分を擦りながら左手で乳首を弄る薫は声を腹に溜めて震えた。

 身近にあって遠い存在だった恥じらいの部分は確実にその答えを薫に教えた。

 パンティーを剥いで直接触れて見たいと思いながらも用足しとは明らかに違う感覚に怯えた。

 生まれて初めての女としての自慰に薫は不安と期待を同時にパンティーの上に指を動かした。

 そして乳房はといえば女装子時代に輪をかけ重圧で濃厚な心地よさが身体の芯から熱を発していて、勃起した乳首を一弾きする度に脳天が爆発しそうなほどだった。

 直接触れて見たいという小さな願いは薫の両手にパンティーを剥ぎ取らせた。

 手鏡に映した恥かしい部分を右手の中指で広げると、既に透明な液体が入口(ちつ)を守る小陰部に絡み付いていた。

 尿道の周りの体温が上昇し全体のピンク色を更にその回りだけを鮮やかにしていた。

「スー ツッツッツッツッー ビクンッ!」

 中指の腹に小陰部の液体を絡めようとホンの少し触れただけで脊椎を一瞬のうちに電撃が脳裏に達した。

 
「こんなに!? これが女の身体…… なんか怖い! ビクンッ!」

 一旦離した中指で尿道に軽く触れると再び気絶しそうなほど強い電撃が薫の頭をフラつかせた。

 その中指がクリトリスへと滑らされると、クリトリスまでの距離が果てしないほど長く感じた。

 そして中指がクリトリスに到達した瞬間、本来なら訓練が必要とされていたにも関らず、薫は身体を震撼させエクスタシーに達し失神した。

 数分後椅子の上で体育座りのまま気を取り戻した薫は、自分の座る椅子の上にオビタダシイ量の愛液が零れているのを見て衝撃を感じた。

 官能は人に依って異なるとは言いながらも最先端の技術で生まれ変わった薫は、本来持ち合わせていた感じる身体と融合したのかも知れない。

 薫は数回触れただけで、それも失神するほどのエクスタシーに恐怖さえ覚えた。 

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック