薫9話

【九話】

 三田は実に十年ぶりにペニスが勃起したと風呂から出た薫に興奮して鼻息を荒くし、薫はと言えば処女を捧げた初夜を終えた女のように、淑やかに三田の話に聞き入っていた。

 白いパンティーの上に白いスリップを着流しただけの薫は、ソファーで楽しげに語る三田を前に床に斜め座りして頷いていた。

 男の自信を取り戻したのか、三田は年甲斐も無く両足をドンと開いて缶ビールを喉に流し込み、物静かに自分を見入る薫の頭に手を置いてナデナデした。

「薫! お前のお陰じゃ♪ それと、処女だったんじゃろ… すまんことをした… だが、嬉しいぞ♪ お前の始めての男がワシじゃったってのは♪」

 三田は床に斜め座りする薫を抱え起たせると、隣りに座らせて薫の右肩に腕を回して引き寄せた。

 薫は三田の胸に左側から頬ほ寄せた。

 三田のコンドームはあるのかとの問いに薫は無言のまま軽く頷き、クリームのような物は無いかとの問いに小さく頷いた。

 そんな薫の手を引いて三田は寝室へと薫を連れ立った。

 寝室のベッドの引出しからコンドームとジェルとタオルを取り出した薫がベッドの上に斜め座りすると、三田は無言のまま部屋の灯りを小玉にして薫を優しく仰向けに倒した。

 三田の唇が薫の首に触れると薫は両目を閉じて三田の愛撫に身体を小刻みに震わせたが、三田は薫の乳房へは行かず、そのまま暫くして下半身へと唇を移動させた。

 スリップの裾を捲り上げられ剥ぎ取られたパンティーの下、愛液を溢れさせ始めた薫のペニスを黙って口に銜えた三田は薫の淑やかさを打ち消した。

 ペニスを貪られた薫はベッドの上に両腕を投げ出し首を左右に振って狂おしい声を奏で続けた。

 三田の舌に絡まれ突き放される薫のペニスは少しずつ大きくなって、薫の脳裏を恥かしさでいっぱいにした。

 そして自らが銜えている薫のペニスが口の中で大きくなるのを感じた三田は、嬉しそうに鼻で笑うと貪り吸う口に強弱をつけて薫の身悶えを楽しんだ。

 乳房をプルプルと左右に震わせペニスを肉棒化させた薫の切なげな表情に三田もまた、ペニスを肉棒化させ薫がエクスタシーに達するのを待った。

 更に薫の肉棒を銜えた三田は口を窄ませ舌を肉棒に絡めながら首を前後に動かし始めた。

 両手を投げ出し乳首をピンと勃起させる薫はベッドの上で両足でブリッジするかのように全身を硬直させた。

 三田は額に汗を浮き立たせ首を振り続けた。

 静まり返った寝室の中に薫の肉棒を貪る三田の口の音だけが漂った。

 そして薫の下半身ブリッジが一際大きくなった瞬間、薫は喉の奥に鈍い呻き声のようなものを溜めた時、肉棒を銜える三田の口中にオビタダシイ量の水分を失った精液が撃ち放たれた。

 精液を出した瞬間、それを受け止める三田はゴクゴクと喉を鳴らして薫の恥かしい精液を喉に流し込んでいった。

 ベッドのシーツを鷲掴みする薫の手が俄かに緊張感を緩めると、三田は精液を出しきって敏感になった薫のペニスを再びムシャブリはじめた。

 絶叫して身悶えと仰け反りを繰り返す薫は全身を痙攣させ、無意識に三田から逃げようとベッドをギシギシと大きく揺らせた。

 本物(おんな)とは違う薫の身体の構造は、精液を出し切ったことでペニスの感度を数十倍に押し上げた。

 三田は薫のモガキを嬉しそうに見詰めながら両手でガッシリと押さえ銜える薫のペニスに舌を絡め続けた。

 
「もおぅ! もぉ! もぅやめてえぇぇー! お、お願いよおぅー! もぅ許してえぇぇ!」

 薫の泣き叫びにも似た声が部屋の隅々に放たれた。

 頭から足の爪先までも激痛にも似た快感が薫を追い詰めた時、薫はペニスを銜えられたまま三田の前で失神した。

 そして薫が失神から覚めた時、薫は正常位で後転姿勢にさせられ、体内に硬いゴツゴツした肉棒が入っていることに気づいた。

 三田の額から薫の乳房にポタポタと大粒の汗が滴り落ちていた。

 両肩で薫の両足を担ぎ自らの肉棒を薫に挿入している三田は、吐息を荒くし時折首を仰け反らせて顔をしかめた。

「はぁはぁはぁはぁ…」

 三田の息遣いがオーガズムにたっする直前であることを薫にわからせた。

「タップリ出してぇ! いっぱい薫の中に出してえぇ! ぁぅぐうっ!!」

 薫は自分の目の前で腰を振る三田に目を潤ませると、肛門に力を入れ三田の肉棒をギュッと締め付けた。

「あぅ! 薫! うぐぅ!! はうっ! イクッ!」
 
 三田は苦しそうな表情と同時に締め付けられた肉棒への負担から荒い吐息を濁らせた。

 薫の肛門の締め付けに三田は我慢出来んとばかりにグイッと肉棒を薫の奥へと押し付けさせた。

 三田は肉棒を薫の奥へ挿入したまま身体を硬直させ動かなくなった。

 肛門の入り口に感じる三田の肉棒はドクドクと激しい脈拍を香るに伝えていた。

 そして体内に溜め込んでいた何かを吐き出した後のように三田の表情は次第に和らいで行った。

 
「いっぱい… いっぱい出させてもらったよ… 薫!」

 表情を和らげた三田は薫にニッコリと微笑むと肉棒を薫から引き抜こうとした。

「いやぁ! 抜かないでぇ! このまま… このまま… お願い…」

 薫は肉棒を抜こうとした三田に哀願して唇を震わせた。

「薫は可愛いのおぅ♪ お前は性転換するべきじゃ…」

 三田はニコニコして自分を見詰める薫のオデコに小さなキスをした。

 薫はこの夜、三田に抱かれるようにベッドの中で朝を迎えたが、薫と三田の男女の関係は週二回のペースで続けられた。

 薫は三田のテクニックでドンドン開花していきアナルセックスでイケる身体になっていったが、気掛かりなのは、貰っていて返していない兵藤からの700万の小切手のことだった。

 元々、貰うつもりの無い大金だったが、隣家の主である三田とのことで女装クラブから足が遠のいていたことが原因だった。

 携帯を見れば兵藤からの会いたいというメッセージが山のように入っていて、それを越す勢いで工藤俊介からと竹崎からのメールが入っていた。

 薫は残業で遅くなると三田に連絡しつつ、その足で女装クラブへと足を急がせた。

 ただ薫の心の中に兵藤や工藤に対する引け目もあった。

 二人の知らないところで女として処女を損失したという事実が薫の後ろ髪を引いた。

 クラブに入った薫は普段なら絶対に身につけないであろう、照明に反射してキラキラ光る黒いドレスをレンタルした。

 薫はクラブの退会を決意していた。

 ガーター紐付きの黒いスリーインワンで身を固めた薫の両足を、黒いレースのガーターストッキングが包み、ガーター紐の上から黒いレースのショーツが包み込んだ。

 ガーター紐の上からレースのショーツを履くことで兵藤が自分の下半身を求めた時、脱がせやすいだろうと薫は配慮した。

 兵藤には気持たせして申し訳ないことをしたという薫の謝罪の意味が込められていた。

 普段は絶対にすることのない濃い目の化粧をし全体を整えた薫は、兵藤に返すべく小切手を胸元の隙間に仕舞った。

 事務室へと移動する薫のストッキングに包まれた足が妖しく照明を照り返した。

 バーのある店内とは裏腹に事務室はひっそりと静まり返り中で数人の女装子(おんな)達がデスクワークをしていた。

 今夜で退会を希望します、という薫の言葉に事務室に居た女装子(おんな)達が一斉に薫の下に駆け寄った。

 えぇぇー! うっそぉー! 恋人が出来たの? いい人と出会えた? 残念! 薫ちゃーーん!

 いろんな声が飛び交う中で薫は首を軽く縦に振った。

 薫は親しげに話しかける友人達に快く見送って欲しいと考えた。

 そして、退会処理を済ませた薫がバーへと向かうと、カウンターから薫を柔らかい眼差しで見詰める工藤と、ボックス席で両側に女装子(おんな)を抱える兵藤の熱い視線が薫に刺さった。

 兵藤は薫を見るなり両側の女装子(おんな)達を払うように押し退け、カウンターに近付いた薫を見て工藤はポツリと呟いた。

「女になったようだね… 見ればわかるよ♪」

 薫に小声で呟いた工藤に、薫は小さく頷いて微笑した。

「薫!! 今までなんで来んかったんあー! 心配したぞおー! ホラ! 早くコッチに来て酌をせい! ホラ! こっちに来い!!」

 兵藤は力任せに薫の腕を掴み引っ張った。

「キャッ!」

 薫は強い力で引っ張られて床に倒れそうになった。

「兵藤さん!! ここはプロの女性が集う店じゃない!! 無理矢理は困りますよ!!」

 工藤が見かねてカウンターから出ると兵藤の前に立ちはだかった。

「大丈夫かい! 薫さん!」

 工藤は薫に声をかけると庇うように薫を自らの後に隠した。

「兵藤さん! いくらアンタがこの店のオーナーでもやって良いことと悪いことがある!! 少しは自重してもらえないか!」

 工藤は目を大きく見開いて、兵藤を威嚇した。

 すると兵藤は工藤の肩に手をかけ怒鳴るように目を吊り上げた。

「お前こそ! いくらワシの子でもここでは、お前は使用人でワシはここのオーナーじゃ! 生意気な口を聞くでないわ!!」

 兵藤は突然杖を振り上げると工藤目掛けて振り下ろした。

「危なあーい!!」

 咄嗟に工藤を庇うように立ちはだかった薫に杖が当たりかけた時、バーのマスターがその杖を掴んだ。

「オーナー!! ここでは私が責任者です! 御無体なことをすればオーナーでも警察に通報しなければなりません! 如何しますか!!」

 マスターは強い口調で兵藤に立ち向かった。

 店内は静まりかえった。

 
「これ… お返しします! 私、こんなのいりません!」

 薫は対立するマスターと兵藤、そして兵藤を睨み付ける工藤の居る中で、胸から取り出した700万円の小切手を兵藤へ差し伸べた。

 すると小切手を受け取った兵藤は…

「こんなハシタ金なんぞ、お前にくれてやるわ!! くっそお! いいか、お前ら二人は今日限り首じゃあ! とっとと失せろ! この恩知らずがあぁ!!」

 兵藤を睨み付ける店内の数十人の人間達に不愉快とばかりに兵藤はシカメ顔を見せてその場を離れた。

「さあさあさあー! 今夜は居ると息苦しい大統領様のお帰りだあー♪ 楽しく参りましょうー♪」

 兵藤の理不尽な行為に辺りは静まり返ったが、バーの他のスタッフ達は音楽の音量を上げ女装子(おんな)達に威勢よく声を掛けた。

 店内は一瞬にして活気を取り戻し、アチコチから談笑する声が飛び交った。

「すいません!! 私なんかのために!!」

 薫は泣きそうな顔してマスターと工藤を前に頭を深々と下げて詫びた。

「いやいいんだよ♪ 兵藤さんはアア見えて実業家だからね、流行ってる店を壊したりはしないさ♪ それに僕はただの従業員じゃないしね、一応この店の役員だから安心して♪ むしろコイツと兵藤さんの親子関係が薫ちゃんにバレちゃって困ってるのはコイツの方じゃないかな♪ あっはははは♪」

 マスターは工藤を見て赤面して自分のように照れながら店の置くへと立ち去った。

 マスターが立ち去った後、工藤を見詰める薫は突然大笑いをしてドレスの裾を両手で持ち上げた。

「こんちくしょうおぉー♪ バシッ! キャッハハハハハ♪」

 薫は突然、棒立ちする工藤の尻にサンダルを履いた足で回し蹴りして頬を紅く染め照れながら大笑いした。

「ゴメン… 黙ってて… 隠すつもりじゃなかったけど… 言いそびれて……」

 工藤は俯いたまま薫にボソボソと詫びた。

「私を親子で取り合いしてたって訳かぁ~♪ 全く変な人達~♪ よし! アキラちゃんクラブトレミー♪ ボトルキープね♪ お酒もタバコもOKになったんだー♪ よおーし! 今夜は私が俊介を貸しきるわー♪ いいでしょー アキラちゃん♪」

 薫は全身で大笑いするとカウンターの中にいるスタッフにオーダーを出して席に腰掛けると、工藤を隣りに引っ張って座らせた。

 工藤は申し訳ないとばかりに俯いたまま席に付いた。

「やい! 工藤! てめえぇ男だろう♪ 男なら男らしくしろおぉー♪ 女の腐ったのみてぇにクヨクヨすんなー♪ バッシーーン!」

 薫はカウンターの中に居てニコニコするアキラと隣りにいる工藤を見往復して、工藤の背中を平手打ちすると笑い飛ばした。

 暫くして薫は小切手を再び取り出すと、兵藤に返して欲しいと工藤の前に出した。

「貰っておいていいよ、ヤツにはハシタ金だろうし返したらまたトラブルの火種になりかねないからさ…」

 工藤は薫の前に小切手を押し付けるとブランデーを一口喉に流し込んだ。

「性転換すんのか? やっぱり…」

 置かれたブランデーグラスを両手で押さえてジッと見入る工藤はボソっと呟いた。

 一瞬だけチラっと薫を見た工藤。

「わかんない… 性感失うの、やっぱり怖いかも… 濡れもしない快感も無いただの穴だもんね… 周囲に明るく振舞って内心惨めに生きるって辛いだろうね… 本物の女性を羨みながら男でもない女でもない身体で惨めな人生送るんだもんね……」

 工藤と同様に置かれたグラスを両手で押さえ、揺れるブランデーに見入る薫。

 工藤の吐息を微かに感じる薫。

「俊介も今ならまだ戻れるよ… 私、俊介とならレズでもいいよ… 」
  
 垂れた前髪を横に戻しながら丸めた背筋を元に戻す薫。

 薫の言葉に一瞬ドキッとした顔する工藤。

 
 すると工藤は…

「俺だって薫とならホモでもいいよ… ふっ♪ ふっ♪ 俺たち何言ってんだろな… ふっ♪」

 薫に逆のことを言って突然、噴出しそうになる工藤。

 工藤は薫の目に視線を重ねると席を少しだけずらして薫の右肩に腕を伸ばすとそのまま引き寄せた。

 薫は工藤の襟元に頭を寄り添った。

「二人ともいい感じだね♪ このまま結婚しちゃえばいいんじゃないのかい♪」

 寄り添う二人を見てカウンターの中のアキラは嬉しそうに囁くと、気を利かせたのかカウンターの奥へと姿を消した。

「でも… 困るなぁ… 薫が性転換したら、アレがなくなっちまう… ふっ♪ 胸は薫のがあるからいいとしても… 薫のアレがなくなるのは困るかもだな… ふふっ♪」

 工藤は照れるようにボソボソと香るに耳打ちした。

「そうねぇ… アレはやっぱ残した方がいいかもねぇ~うふふ♪ だから俊介もアソコ塞いだらダメだからねぇ~ 入れるとこないのは困るもん♪ キャハ♪」

 頬を紅くして照れる薫は左手を工藤の右手に絡めた。

「私ねぇ、兵藤さんに自分の女になれって言われた時、凄く変な想像したんだよ~ 子供がねぇ、風邪引いて寝てる直ぐとなりで兵藤さんが強引に私の身体を求めて来て… 泣きながら抱かれちゃうんだ♪ その想像が妙にリアルで、気が付いたら涙ぐんでたの…… でも、今はそれが単なる想像だってハッキリ解かった… 変でしょ私、アハッ♪」

 工藤の右手に絡めた左手の小指を微かに曲げ伸ばししながら不安げな表情を一層した薫。

 真剣な眼差しをしながらも薫らしいやと、口を緩めて噴出しそうになった工藤は薫に頬ほ抓られた。

 

 薫はこの日、帰宅せずに工藤の部屋へ我が身を伴わせた。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック