薫2話

【二話】


 
 

 薫は翌朝から再び父親として息子を隣家に預け会社へ向かった。

 会社への通勤路、薫の目につくのは黒い長い髪とストッキングに包まれた足を出して歩く女性ばかりであった。

 見ている事を気付かれぬよう薫は女性達を凝視し続け、そして会社へ到着しても薫の視線の先には常に女性がいた。

 そんな薫がトイレに入ると大して混んでいる訳でもないのに、何故か入ったのは大便用だった。

 トイレ内で降ろされたスボンの下には日の光に反射するブラウンのパンティーストッキングが薫を包んでいた。

 女性のように両手で降ろされたパンティーストッキングの下は、菜々美が薫との夜の営みで身につけていた白いパンティーだった。

 薫はパンストとパンティーを膝の上に乗せると女性のように座ったまま小用を足し、先っぽを振った後でペーパーで拭き取ると再び菜々美のパンティーを履いてパンティーストッキングで下半身を覆った。

 歩く度にスラックスの内側にパンティーストッキングが擦れそれが薫には心地よく新鮮だった。

 会社の廊下を歩く薫は妻の菜々美の感じた感触を自分のモノにしていた。

 そしてパンティーとパンティーストッキングを履いて歩くという行動は薫を楽しませ、徐々にそれをエスカレートさせていった。

 仕事を終え帰宅すると隣家に子供に迎えに行き一緒に夕飯と風呂を共にする。

 そして子供が眠ってからの薫の一人の時間は薫から仕事と家事の疲れを一度に取り除いた。

 薫には少し小さ目に感じられた妻のサイズは薫にとっては身体にフィットして妻(おんな)を感じられるサイズでもあったようだ。

 妻の下着とストッキングを身に付け全身を覆うワンピースは瞬時に薫を女にした。

 エプロンをつけてスリッパを履いた薫はこの夜も一人台所に立ち洗い物を済ませると、音を立てられないからと家の中をホウキと塵取りをもって掃除に励んだ。

 動くとずれるカツラの使い方もマスターし、ネットで覚えた化粧も完全にマスターした薫はルンルン気分で妻の菜々美に成り切っていた。

 一仕事を終えソファーに座り足組してウイスキーを飲む薫は、ストッキングに包まれた自らの足先を見て小さな笑みを浮かべた。

 そして夜の11時、寝る前に子供に水分を与えないことで目を覚まさなくなった子供の寝顔を見てから薫は寝室に入った。

 ワンピースを脱いでベッドに横たわる薫は薄暗い明かりの下で女性下着に包まれた自分を慰めた。

 仰向けや横位、そして斜め位置にと身体を様々な体位にし、小さな裸電球に反射するストッキングに包まれた下半身を演出させた。

 自らの乳首を自らの両手で触手しては切なげな喘ぎ声を奏で身悶えしてベッドを揺らし、ストッキングに包まれた太ももに自らの指を滑らせヨガリ声と共に首を上下左右に振った。

 勃起した乳首を片手の中指で弾きながら時折親指で抓んではコリコリさせ、同時に別の手の親指の腹でパンティーの中にあるペニスの先っぽをヌルヌルした自分の愛液で滑り回した。

 ベッドの上に頬を横置きし起てた両膝で身体を支えながら乳首とペニスを弄る薫にタレ下がったスリップの裾は、大きくユラユラと揺れていた。

 薫の身体から溢れた愛液は、薫の親指とペニスの先っぽにベッタリと絡みついていた。

 そして心身共にトロトロになっていた薫の耳を隣室で寝ていた息子の泣き声がつんざいた。

 薫はトロトロになっていた我が身を起こし、ブラジャーを外しベッドに膝立ちすると愛液塗れになった自分の親指を自分の口の中にいれチュパチュパと味わいながら飲み込んで、パンティーとパンスト引き揚げると慌てて隣室の息子のもとへと急いだ。

 
 スリップ姿の薫の足音が廊下に響いた。

「どうしたの♪ ホラホラ~ ママが傍にいるでしょ♪ 安心なさい♪ ポンポンポンポン…」

 薫は菜々美のように息子を抱き上げると息子の尻を軽く叩いてあやし始めた。

「ママァー! オッパイ… ママー オッパイ!」

 息子は薫に抱かれながら乳をねだった。

 薫は良心の呵責に苛まれながらもスリップの肩紐を外し、自らがさっきまで愛欲のために弄っていた乳首を子供の前に晒した。

 子供は晒された薫の乳首に夢中で吸い付くと、薫は首を後に仰け反らせ全身をビク付かせた大きな溜息交じりの喘ぎ声を発した。

 足を崩し斜め座りした薫の上で息子は乳の出ない乳首を吸い続け、喉まで出かかる喘ぎ声を押し殺して薫は息子からの愛撫に全身を震わせ続けた。

 あってはならない行為だと知りつつも薫はその官能にトロトロになっていった。

 薫は右乳首に吸いつく息子の向きを変え左乳首を吸わせた。

 パンティーストッキングに覆われた薫のパンティーは内側からグッショリと濡れていたが、息子からの愛撫に薫は別の液体をパンティーの内側に放出していた。

 自分の息子に乳首を吸われオーガズムに達した薫は深刻な自己嫌悪に陥った。

 

 そして最初は癒されていたはずの女装は次第に薫から体力と気力を奪って行った。

 毎晩のように行われる一人二役の自慰と乳を強請る息子からの愛撫は薫から人間性を奪おうとしていた。

 そんな矢先、会社の仕事で出向いた訪問先の商談を済ませた薫がその会社の入るビルを出ようとした時、後から声を掛けられた。

「君っ! 君、女装の趣味あるんじゃないのかい♪ スラックスの後… それってパンティーラインだろ♪ 心配しなくてもいいよ、実は僕も君の仲間だから安心して~♪ それよりどう♪ 僕が遊びに行ってる会員制の店があるんだが行って見ないかい♪」

 振り向いた薫の傍に居たのはさっき話したばかりの訪問先の係長だった。

 薫は商談先ということもあって直ぐには断れず、取敢えずはメアドの交換を済ませて会社に戻った。

 すると商談先から連絡があって商談は成立しオマケに納入数も倍増したと上司から知らされた。

 薫は周囲から肩を叩かれて好成績を喜ばれ課長や部長からも喜ばれた。

 薫はメアド交換した先方の竹崎のフォローだと直ぐわかった。

 そしてそれを機会に竹崎からのメールは頻繁化した。

 時には女装した自分の姿をメールに載せたり、通っている店の雰囲気のわかる写真を送ってよこした。

 薫は竹崎の通う店に行って見たいと思うようになっていた。

「人前で女装子(おんな)になって見たい……」 

 薫の思いは募っていった。

「本当は僕も行って見たいんだ… だけど小さな子供が居て…」 

 薫は苦しい胸の内を竹崎にメールした。

 すると竹崎から返信が直ぐに来た……

「僕の家内に面倒見させるよ♪ 丁度同じくらいの子が居るし数時間なら面倒見てもらえるようにするよ♪」

 竹崎の返信メールに薫は飛び跳ねて大喜びした。

 薫はワクワクし胸を躍らせた。

 薫は週末、竹崎の自宅に行き奥さんと子供達を紹介された。

 竹崎との打ち合わせ通りに薫は仕事の打ち合わせでと相槌を打って息子を竹崎の奥さんに預けた。

「この奥さんは彼が女装していることを知らないんだな……」
 
 薫は竹崎の奥さんに申し訳ない気持ちになった。

「今回は見学ってことで入場料も無料だし、一円もお金は掛からないからねー♪ 僕達のような女装子(おんな)がウヨウヨいるよ~♪ てか、逆に結構稼げるんだよ♪ 普通に女装を楽しみたい人も居れば逆に女装子と店内デートしたい人もいるんだ♪ そっち系の人に好かれれば酒の相手するだけで一時間に1万円も貰えるんだ♪ 勿論、お互いに気が進めばそれ以上もありだよ♪ てか、薫さんは処女なんだろ? 処女は高いんだよ~♪ お互いに相手を気に入れば店にある二階の部屋でフリータイム♪ 一回60分で処女なら5万円から8万が相場かな~♪ 処女じゃなくても3万円くらい貰えるんだよ♪ もちろん愛人契約もあるけど、まあそういう話しは今回は関係なさそうだし♪」

 竹崎は嬉しそうに店のことを薫に話して聞かせた。

 繁華街から少し外れた場所にある五階建てほどの古いビルが二人を迎えた。

 ドアを開けて中に入ると別のドアがあって、小窓がついていて、彼がノックするとその小窓は開かれ彼はその小窓にカードを差し入れるとドアが開いて、ワイシャツに蝶ネクタイの男が薫達を招きいれた。

 薄暗い店内は必要な箇所だけが明るくなっていて、大広間の周囲にはグルリと無数のドアが設けられていた。

 薫は、竹崎の後ろを神妙な面持ちで付いていくと、一つのドアに辿り着いた。

「薫くん、ここが僕の部屋だよ♪ さあー入って入って♪」
 
 竹崎に誘われて中に入ると、照明がつけられ辺りを照らした。

 細長い六畳ほどの部屋には洋服箪笥と和ダンスの二つが並んでいて、化粧台と小さな冷蔵庫の他に、三人掛けのソファーが置いてあって、小さなテレビとパソコンが設置されていた。

 どうやらレンタルルームのような感じだと薫が思っていると、竹崎は薫の前でサッサとスーツを脱いで裸に、そして洋服箪笥と和箪笥を開くと、手際よく女装子(おんな)へと変身して見せた。

 
「今日はね、薫くんはゲストだから着替える必要はないけど、女装子(おんな)になって、建物内を見学したいなら、下着とストッキングは有料だけど、無料の貸衣装が利用できるサービスを使うといいよ♪ 有料といってもその辺のスーパーの安物と同じ値段だから心配しないで♪」

 竹崎は話しながら手早く手際よく化粧を続けた。

 そして薫を振り向いた竹崎は美人顔に変身していた。

「驚いたでしょ~♪ お化粧でなんとでもなるのよねぇ~♪ うふふふふ~♪」

 話し方まで女性になった竹崎に薫は胸の奥をドキッとさせた。

 薫は変身した竹崎に連れられ見学コースの売店でパンティーとパンティーストッキング、スリツプを買うと、無料のドレスを竹崎に見立ててもらった。

 そして薫も竹崎の部屋の中で女へと変身をして見せると、見る見る間に化粧をした薫に竹崎は呆気にとられた。

「薫ちゃん… すごい♪ てか上級者じゃなーいあっはははは~♪」

 竹崎は薫の手を引いてバーへと出向いて薫を店の人達やお客に紹介した。

 薫は生まれて初めて他人の前で女になった自分を見せて弾けそうなほど感動した。

 そしてバーのボックス席に居たサングラスをかけた客達が一斉に薫を見て歓喜し、バーのスタッフ達も白い歯を見せて喜んだ。

 
 すると一人のサングラスをかけた初老風の男性がバーのマスターらしき人物になにやらヒソヒソ話しを持ちかけていた。

「ホラ来た♪ 早速、カオちゃんにお客さんが付いたわぁ~♪ あの人、お金持ちの常連さんよ♪」

 竹崎は嬉しそうに薫に耳打ちした。

 すると今度はバーのマスターらしき人が薫に近付き耳打ちした。

「お嬢様にアチラの方からお酒のお誘いが来ておりますが、いかがなさいますか? 一時間25000円のお値段が付いております… 当店の取り分が20%の5000円ですから、お嬢様の取り分は20000円になります♪」

 太い声を無理に細めたマスターは薫に視線を合わせた。

 薫は満面の笑みを浮かべる竹崎を見てから小さく頷いて見せた。

「交渉成立ですね♪ 良かった♪ では、お席へどうぞ♪」

 マスターは別のスタッフを手を上げて呼ぶと、薫をエスコートさせた。

 薫はエスコートされボックス席に座るとその初々しさで辺りを明るくした。

 アチコチのボックス席から、マスターへの交渉が押すな押すな状態で盛り上がった。

 薫は初老っぽい男性を前に恥かしさに俯いて話すことさえおもうように行かなかったが、常連の客はその薫を前にして酒を美味そうに飲んでいた。

 そして、50分ほど過ぎた頃、初老の男性は薫に耳打ちして来た。

「アナタをワシのモノにしたいんだが… どうかな♪ これはこの店用の携帯なんだが、考えてもらえんかな… 処女の子の相手は慣れとるから心配しなくていい♪」

 初老の男性は薫にメモを渡すと名残惜しそうにバーのスタッフを呼んで薫をその場からエスコートさせた。

 薫は男性からの思いがけない言葉に動揺しながらも、次々に入る指名を閉店までこなして行った。

 そして竹崎と備え付けのシャワーを浴びて店を出る頃には、薫の財布の中には数十万円の札束がギシリと入っていた。

 薫は半分の25万円を竹崎に渡したが竹崎は受け取ってはくれず、子供の預かり代として一万円だけを何とか受け取ってくれた。

 そんな竹崎は初心者の見学者を一人連れていくことで、店から数万円を貰っていたことを正直に話してくれた。

 薫は正直な竹崎に友達として付き合いたいと話すと、竹崎は最初から友達だと薫の肩をポンと叩いた。

 

 この夜、薫は菜々美が失踪して依頼、久々に辛さを忘れて楽しんだ。

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