縄奥 作

子供を残し妻に失踪された男が寂しさから妻の衣類に手を付けたことから男に性的変化が起きて行く。

【一話】


「お願いです! 今夜は今夜だけは堪忍して下さい! 子供が熱を出して寝ているんです! お願いです! お願… い… お… ね… が… い…」

 小さな布団で眠る子供の横で、薫(カオル)は身体を畳の上に押し倒しされた。

 相手の男は手早く胸元のボタンを外し白いブラジャーとスリップの肩紐の両側を引き下ろした。

 薫の胸元が露になると我が子を横に見ながら薫は貪られる乳房からの刺激に唇を噛み締め口元を震わせた。

 捲り上げられるワンピースの裾の中に男の手が入り、黒いストッキングの上を嫌らしく滑りまわった。

 そして目を閉じて相手(おとこ)の業に耐える薫は涙を頬に伝えた。

 男は肉欲を拒絶する薫を無視し薫の胸を味わいながら、その嫌らしい手の平で薫の尻を持ち上げまさぐった。

 

 一年前、薫の知らない男と駆け落ちするように二歳の子を捨てて家を出て行った妻、菜々美の行方は知れず、興信所を使って調べたもののその消息は掴めなかった。

 元々サラリーマンをしていた薫だったが、その生活は親子三人で力を合わせて乗り越えられるレベルだった。

 しかし妻の菜々美の家出でその生活は一転した。

 元々、身体の弱かった薫に加え三歳児もまた父親似で生れながらにして病弱であった。

 病弱な二歳児の子育てとサラリーマンの両立で薫は心身共に疲れ果てて行った。

 そんな薫は会社を休みがちになっていた。

 両親や親戚の居ない薫にとってのサラリーマン生活と病弱な子育ての両立は甘い物ではなかった。

 妻の菜々美の実家も遠く、預けるわけにも行かない薫は病弱な子供の世話で会社を休むことも。

 また二歳の子は25年ローンで買った家の中を母親を探して泣いて歩き回り薫を苦しめた。

 小さな我が子を抱っこしてソファーで座って仮眠を取る薫は限界に達していた。

 そしてそんな時に小さな事件は起きた……

 薫は全身への突然の激しい違和感にハッとして目を覚ますと、息子が母親の乳房と薫の胸を間違えたのか出るはずのない薫の乳首に吸いついていた。

 自分の乳首に吸いつく息子を無碍(むげ)に引き離すことも出来ない薫は、そのままの姿勢で無かこの気が治まるのをジッと待った。

 生まれて初めて乳首を吸われた薫は、そのくすぐったさに笑いを必死に堪え身体を震わせながらも、言葉にならない鈍い官能(あまさ)に開いていた両目を閉じた。

 意図的なのか息子は薫の出ない乳首を強弱つけて吸い続けた。

 そして息子が小さな手を薫の胸にペタンと這わせスーッと横に滑った瞬間、薫はドキっとして再び両目を大きく見開いた。

 息子の小さな手が隣りの乳首を掠めた瞬間、薫は過去に感じたことの無い鋭い官能に全身をビクつかせた。

 薫は目を閉じて吸い続けられる乳首からの官能に身体の芯をトロケさせていた。

 
 乳首が感じることを初めて知った薫だった。


 薫は子供を寝かしつけると隣室のドアを少し開けて、ベッドに疲れきった身体を横たえた。

 だが薫の身体は火照ったように熱くなって中々眠ることが出来なかった。

 薫は自らのスボンの中に手を入れ慰めようとした。

 だが息子に乳首を吸われた感覚とペニスの感覚の違いに違和感を覚えた。

 薫が欲しかったのはペニスから脳に伝わる鋭い官能ではなく押し寄せる鈍い波のような官能だった。

 薫はスボンの中から手を抜くと、その手を真っ直ぐに自らの胸へと運んだ。

 そしてランニングシャツの上からそっと乳首に右手の中指を滑らせた瞬間、薫は全身を一瞬だけビクつかせた。

 驚いた表情をした薫は再び右手の中指で自らの乳首の上を滑らせた。

 ビクンッ! ビクンッ!

 激しい官能は脳へ届く前にジワァーっと胸と下腹部の全域に伝わり、シャツの上から勃起した乳首を抓んでコリコリすると、ゆっくりとした鈍い大きな官能が薫に喘ぎ請えを出させた。

 

 薫は乳首での自慰を覚えた。


 この日、薫は生まれて初めての乳首オナニーをベッドの上で繰り返し、一時の安らぎに心身を休ませた。

 翌朝、土曜日だった薫は熟睡したのかスッキリした顔で目を覚ますと、隣室に寝ている子供の様子を見に移動した。

 息子は家出した母親である菜々美の使っていたカーデガンを布団に引きずり込んで眠っていた。

 それは薫が泣き止まない息子を抱っこしてアヤスときに使っていた物だった。

 

 薫は息子が不敏でならなかった。


 音を止めてある卓上電話の留守電のランプがピコピコ光っていた。

 妻、菜々美の実家からの菜々美の安否と孫である息子を気遣うメッセージだった。

 薫は息子と二人の朝食を用意しながら息子が目を覚ますのを待ったが、中々起きてこない息子を心配した薫は息子が寝ている布団の横に添い寝した。

 小さな両手で菜々美のカーデガンを握り締める息子を横で見入っていた薫もウトウトしだした。

 ビクッ!

 突然の息子の声に驚いた薫は動けなかった。

「ママァー! ママァー!」

 薫の胸元に頬を寄り添えるようにして声を張り上げる息子はまだ寝ぼけていた。

 暫くすると薫はそのまま眠ってしまった。

 
 一時間ほどした時、薫は胸に重さと官能を感じて目を覚ました。

「チュパッチュッパ… ぁんっ! ピチャピチャ… ぅあっん!」

 身体に走る強い快感に全身をビク付かせ目覚めた薫は、仰向けの自分に乗り乳首に吸いつく息子に驚いた。

 薫は三十分以上も息子に乳首を吸われていて動けなかった。

 薫のズボンの下のトランクスの内側はヌルヌルした愛液が溢れて付着していたのを気付いてはいなかった。

 
「さあ♪ 御飯にするぞぉ~♪」

 薫は息子に朝御飯を食べさせながら、トランクスの内側に感じる冷たさにある種の屈辱を感じた。

「パパ、トイレ行ってくるからね♪」

 トイレの中で降ろしたトランクスの内側には、オビタダシイ量の愛液が付着していた。

 自分の息子に乳を吸われ愛液を溢れさせた薫は自分が情けなかった。

「溜まってるんだ! 畜生! シュッシュッシュッシュッ! 俺ってヤツは!!」

 薫はトイレの便座に座り溜まっている物を放出した。

 ゼリーのような黄色系の精液が次から次から射精後も溢れ出しペーパーにしみこんで行った。

 だが何故か薫は満たされてはいなかった。

 そんな薫はランニングシャツを巻くりあげると、両手の指で両方の乳首を抓んで弄って見た。

 射精直後だというのに薫は便座の上で全身を何度もビク付かせ喘ぎ声を喉の奥で押し殺した。

 下に向いているペニスの先っぽから透明な液体が溢れては糸のように便器の落ちていた。

 薫の両手は忙しく動きながらも、知らず知らずの内にその手を男が女の身体に指を滑らせるように自らの肌に滑らせた。

 その手は上半身のみならず下半身の太ももや横尻にまで広がり、中腰で胴回りや尻の正面にまで達した。

 薫は肌に指が滑るくすぐったさの中から生まれる官能に目覚めて行った。

 
「これが女の官能なのか……」

 一定の時間をトイレで過ごした薫はモヤモヤが取れたスッキリした顔に戻ると、ペニスを拭いてトイレを後にした。

 ただ薫は普通の自慰では満足出来ない身体になっていることに気づいたようだ。


 数日後の平日、隣家に預けていた息子を引き取りに行った薫は、妻のカーデガンが息子のヨダレでベタベタになっているのに気付いた。

 別の何かをと息子にテレビを見せながら、薫は滅多に入ることのない妻の菜々美の衣裳部屋へと入った。

 妻が普段から息子の前で着ていた服を探していた薫は思わず菜々美のスーツを手に取ると抱き締めてしまった。

 薫もまた息子同様に菜々美に会いたがっていたようだ。

 そんな薫は息子用に与える菜々美の服を探しながら、何気なく菜々美が使っていた箪笥の引出しを開けてみた。

 菜々美が普段履いているパンティーが仕舞われていて、他の引き出しを開けるとスリップやガードルやブラジャーが綺麗に折り畳まれていた。

 
「菜々美が履いてたパンストか……」

 薫はパンストを手に持つと顔に近づけた。

「菜々美…… 何処いっちまったんだぁー! 畜生!!」

 薫はパンストに顔を埋めながら声に出して叫べない辛さを心の中で喚き散らし畳に膝を付いて崩れた。

 
 この夜、子供を寝かしつけた薫は酒を飲んでほろ酔い気分になると、菜々美の衣裳部屋を訪れていた。

 明かりを小玉に切り替えた薫は、傍にある菜々美が使っていた椅子に腰掛た。

 持っていたウイスキーを瓶ごと一口含むと、辺りを見回し大きく溜息をついた。

 二つある縦型の洋服箪笥の観音扉を一度に開き、中に入っている菜々美の洋服を見入る。

 妻の菜々美が家出する直前を思い出す。

 可愛い笑顔して自分を会社に送り出した菜々美を思い出す。

 菜々美を抱いた日のことを思い出す。

 子供が寝た後、台所に起つ菜々美の後からスカートを捲り上げた日の菜々美の照れる顔を思い出す。

 時折、菜々美が見せた遠くを見るような表情と何かに冷めた表情を思い出す。

 
「好きな人が出来ました… ごめんなさい…」

 菜々美から薫の携帯に入っていた留守電のメッセージを思い出す。  

 ガックリと肩を落とした薫は再びウイスキーを一口喉に流し込んだ。

 

「菜々美………」

 静まり返った部屋の中、薫はフラフラと箪笥の前に立つとランニングシャツとトランクスを脱ぎ捨てた。

 箪笥の引出しを引いた薫は菜々美が履いていた白いパンティーを手に取ると息を押し殺してそれを両足を通した。

 薫はパンティーに押し付けられた性器に窮屈さを感じながら、ライトブラウンのパンティーストッキングを椅子に腰掛けて履いた。

 菜々美のブラジャーはブカブカしていたが、薫は何かに獲り憑かれたように気にすることなく、息を殺してその上から白いスリップをまとった。

 洋服箪笥の中から取り出したクリーニングカバーの掛かったスーツを取り出し、ブツブツと独り言を呟きながら薫は黒いタイトスカートを履き、そして白いブラウスを着衣した。

 大きな深呼吸をした薫は再び洋服箪笥の中に身体半分を入れると、菜々美が使っていたロングヘアーのカツラを自らの頭に装着した。

 静まり返った薄暗い部屋に女装子(おんな)が一人現れた。

 薫はそのままの姿で子供が寝ている部屋の入り口を横切ると、居間へ移動し台所に立って洗い物を始めた。

 台所からはジャブジャブと水音がしカチャカチャと食器の音がした。

 薫は手を休めることなく洗い終えると洗濯場に移り洗濯を始めた。

 そして時計の針が午後11時を回ろうとした頃、突然後からの子供の声に全身をビク付かせた。

 ドキッ!

「ママー オシッコォー」

 子供は薫のスカートに後から抱き付いて尿意を伝えた。


 すると薫は…

「はぁーい、いい子ねぇ~ ママと一緒にトイレ行こうねぇ~♪」 

 薫は菜々美のように優しく子供の手を引くと子供に用足しをさせて再び子供を寝かしつけた。

 添い寝して子供を寝かせつけた薫は家の明かりを落とすと、寝室に入り明かりを小玉にしてブラウスとスカートを脱いで腰掛けた。

「菜々美、早くこっちこいよ! パンストなんか俺が脱がせてやるよ♪ 早くおいで♪」

 薫は菜々美を呼んだ。

「ぁ~ん♪ ちょっと待ってぇ~ 今すぐ行くから待って~♪ あんっ♪ もおぅセッカチなんだからぁ~♪」

 女装した薫は菜々美の口調で独り言を言いながら、目に見えない誰かに手を引かれるようにベッドへと身体を横たえた。

 仰向けになった薫は小さな明かりの下で独りブツブツ呟きながら、両手を自らの身体に這わせ指を滑らせて身悶えと切なげな喘ぎ声を奏でた。

 スリップとブラジャーの肩紐を外し、自らの乳房を手の平で回しながら乳首に指を絡め、その官能にパンティーストッキングに包まれた両足をクネクネと絡めた。


 薫は一人で二役を演じていた……




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